微生物由来のサプリメントって何があるの?【薬剤師が解説】
2024.11.21
2025.01.13

注意
当記事は、「微生物由来の代表的なサプリメント」にはどのようなものがあるかをまとめた記事です。
「微生物由来原料のサプリメント製造において、GMP指針等に該当する成分」をまとめた記事ではありませんので、注意してください。
安全性が問われる微生物由来サプリメント
今年(2024年)の3月に起きた、紅麹での健康被害問題。
カビ由来のプベルル酸が製造過程で発生し、これが腎障害の原因となった可能性が指摘されました。
この問題は、微生物由来の原料を使用したサプリメント製造の難しさを改めて浮き彫りにしました。
これを受けて、消費者庁は今月18日に「微生物等関連の原材料を扱うサプリメント製造における新たな指針案」を提示しました。(1)
これは従来のGMP指針に加えて、微生物由来成分特有のリスクを管理する新たな指針案を盛り込もうとするものです。
安全性の確保が求められる一方で、微生物由来サプリメントは発酵食品や独自成分の力を活かし、健康維持に寄与する重要な役割を果たしています。
以下にその代表例を挙げて解説します。
微生物由来の代表的なサプリメント
現時点で公開されているQ&A(案)(2)によると、「微生物等の培養・発酵過程を経て生産される原材料」とは下記のような例が挙げられています。
- 味噌、醤油、ヨーグルト、納豆などの一般的な発酵食品由来の原材料
- 土壌菌など菌を培養したもの
- 藻類
- きのこ類については、菌糸体を培養したもの
ただし、あくまでも厳密な定義は改定案の段階ですので、今後の公表を待つ必要があります。
ここでは、上記を想定した場合に「微生物由来の代表的なサプリメント」にはどんなものがあるのかを挙げてみましょう。
発酵食品由来
発酵食品は、微生物が関与する発酵過程で生まれる成分が多く含まれており、健康維持に役立つ成分が抽出されることが特徴です。
- 黒酢:酵母や酢酸菌による発酵で生成 熟成によってアミノ酸含有量が増加
- ケフィア:発酵過程で乳酸菌や酵母が関与 整腸作用が注目されている
- 豆鼓:黒大豆を発酵させた食品 エキスが糖分吸収に関わる酵素の阻害作用を持つ
- 納豆(納豆菌):大豆に納豆菌を付着させて発酵 発酵の過程で様々な酵素・ビタミン類などが生成
- ナットウキナーゼ:納豆菌による発酵過程で生じる酵素の一種 血栓溶解作用がある
- 発酵プラセンタ:プラセンタを微生物(酵母や乳酸菌など)で発酵させたもの
- 紅麹:紅麹菌を利用した発酵製品 悪玉コレステロール合成の阻害作用をもつ
- ラクトトリペプチド:乳酸菌の発酵過程で生成 「血圧が高めの方に適する食品」としてトクホ表示された食品がある
- NMN:発酵法という製造方法がとられることがある アンチエイジングで注目を集めている成分
菌を培養したもの
微生物を人工的に培養することで得られる成分が豊富です。
- ガセリ菌:乳酸菌の一種 内臓脂肪低減や整腸作用が注目されている
- 酵母(ビール酵母など):酵母を培養して利用する
- 乳酸菌・ビフィズス菌:腸内環境を整える働きで広く知られている
藻類
藻類を培養して得られる成分は、栄養価が高く注目されています。
- クロレラ:ビタミンKをはじめとするビタミン類、タンパク質などが豊富 ワルファリン服用中の方は使えない
- スピルリナ:豊富なアミノ酸を含む 日本スーパーフード協会が「プライマリースーパーフード10」として推奨している(3)
- ユーグレナ:植物・動物どちらの栄養素も豊富に持つ
きのこ類
きのこ類の菌糸体を培養して利用する成分が多くあります。
また、きのこ類に含まれるβ-グルカンが免疫力向上の作用で注目を集めています。
- アガリクス:がんに対する効能の可能性が注目されている
- しいたけ:精製された成分であるレンチナンなどが、がんに対する効果として注目されている
- 冬虫夏草:幅広い作用があるとされ、中国を中心に研究が進められている
- ハナビラタケ:希少価値が高く、β-グルカンが豊富
- ヤマブシタケ:特有成分のヘリセノンが、神経成長因子(NGF)の合成促進物質として注目されている
- 霊芝:希少価値が高く、β-グルカンが豊富
まとめ
微生物由来のサプリメントは、発酵技術や培養技術を活用して健康を支える成分として注目されています。
一方で、製造過程における安全性確保が大きな課題となっています。
特に、紅麹の健康被害問題を受け、消費者庁が提示した新たな指針案は、こうした課題解決に向けた重要な一歩となるでしょう。
本記事では代表的な微生物由来サプリメントを紹介しましたが、それぞれの詳細な効果や用途は個別ページを順次作成していきます。
興味のある成分についてはリンク先をご覧ください。
微生物由来サプリメントは適切に選ぶことで、健康維持や生活の質向上に役立つものです。
安全性が高いサプリメントを選ぶようにして、ぜひ有効活用してください!
参考文献
(1)微生物等関連原材料を用いる錠剤、カプセル剤等食品の製品標準書の作成に関する指針(案)(参照2024-11-20)
(2)微生物等関連原材料を用いる錠剤、カプセル剤等食品の製品標準書の作成に関する指針に関するQ&A(案)(参照2024-11-20)
(3)“スーパーフード推奨品目”,一般社団法人日本スーパーフード協会(参照2024-11-21)

兵庫県在住の薬剤師/MSA(メディカルサプリメントアドバイザー)。大手企業で医薬品開発を経験後、調剤薬局業界へ転職。在宅医療をはじめ、さまざまな診療科の薬局での勤務経験を持ち、現在は透析門前薬局の薬局長を務めています。「誰もが簡単にサプリメントの正しい情報にアクセスできるように」との思いから、当サイト【サプメディア】を開設しました。サプリメントの選び方や薬との飲み合わせに関する一般的な疑問から、医療従事者向けの専門情報まで幅広く解説しています。