薬剤師がまとめたサプリメント情報

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)

NMNのイメージ画像01

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、特にアンチエイジング分野で注目されている成分です。

その特性や効果について詳しく解説します。

NMNの効果とは?

エネルギー産生をサポート

NMNは体内でNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換される物質です。

NMNを補充することでNAD+レベルが向上し、エネルギー代謝が促進されると考えられています。

NAD+は細胞内でエネルギーを生産するために必要不可欠な補酵素ですが、栄養素として直接吸収することができません。

そのため、体内でNAD+の原料となるビタミンB3(ナイアシン)やNMNの形で摂取することが重要です。

ビタミンB3(ナイアシン)とNMNの違い

ビタミンB3(ナイアシン)とNMNはどちらも体内でNAD+へ変換される物質ですが、NMNのほうがNAD+へ変換されるまでの過程が短い(1)という特徴があります。

ただし、NMNの製造にはコストがかかるため、サプリメント製品も非常に高価であるという欠点があります。

現在は下記の方法が知られています。

  • 発酵法:微生物を利用した合成 化学物質の混入リスクが低い
  • 化学合成法:発酵法よりも大量生産に適しており安価だが、安全性に注意が必要

なお、発酵法でも安全性には注意が必要です。

紅麹の生産と同じく微生物を利用する製法であるため、今後製造方法がより厳格化される可能性があります。

アンチエイジングで注目

NAD+は、細胞修復や老化に関連するサーチュイン遺伝子の活性化に関与しています。

そのため、体内でNAD+となるNMNには老化の進行を抑制し、健康寿命を延ばす可能性が期待されています。

認知機能の改善に期待

動物実験では、NMNが脳内のNAD+レベルを増加させることで、認知機能の低下を防ぐ効果が示唆されています。

まだ動物実験レベルではありますが、加齢による認知症リスクの低減について、今後ヒトでの研究結果が期待されています。

こんな人におすすめ

健康的な老化を目指したい方

NMNは加齢によるエネルギー不足や細胞機能の低下を補助する成分として注目されています。

健康寿命を意識する方に適しています。

歳を重ねるごとに不足しがちな成分を補いたい方

体内のNAD+量は加齢で低下することが知られています。(2)

不足する成分を補いたい方に向いている成分です。

注意事項

NMNでの副作用は現在のところ報告されていません。

ただし、下記のような場合は注意してください。

妊娠・授乳中の使用

NMNの妊娠中および授乳中の安全性については、現在のところ十分なデータがありません。

使用を検討する場合は医師に相談してください。

特定の薬を服用中の方

NMNが特定の薬剤(特に代謝に影響を与える薬剤)と相互作用する可能性はまだ否定できません。

薬を服用中の方は、医師または薬剤師に相談の上で使用してください。

過剰摂取への注意

NMNは一般的に安全とされていますが、推奨される摂取量を超えると副作用のリスクが増加する可能性があります。

サプリメント商品選びのポイント

NMNは食品中に含まれていることがありますが、微量な上、加熱で分解されやすいという特徴があります。

効率的に摂取するためにはサプリメントの使用が望ましいです。

摂取する際には次のポイントに注目しましょう。

含有量の確認

NMNサプリメントは目安として1日あたり250mgほど。

100mg〜500mg程度を摂取量の目安とする製品も多いです。

また、1,250mgを1日1回摂取して最大4週間は安全とする報告もあります。(3)

初めて使用する方は低用量から始めることをおすすめします。

認証や第三者検査の確認

安全性を確保するためには、GMP認証や第三者検査を受けた製品を選ぶことが重要です。

また、成分がほとんど含まれていない粗悪品も市場に出回っているようです。

非常に安価な商品である場合は、信頼できる情報を公開しているか必ず確認しましょう。

まとめ

NMNは、NAD+を介したエネルギー代謝やアンチエイジング効果が期待される成分です。

健康的な老化を目指す方や、エネルギー不足を感じる方にとって、有用な選択肢となるでしょう。

ただし、使用にあたっては推奨摂取量を守り、必要に応じて医師や薬剤師に相談することが大切です。

純度や吸収性にこだわった製品を選び、安全に活用してください。

参考文献

(1)Romani M, Hofer DC, Katsyuba E, Auwerx J. Niacin: an old lipid drug in a new NAD+ dress. J Lipid Res. 2019;60(4):741-746. doi:10.1194/jlr.S092007

(2)“加齢によるNADの低下とサルコペニア・フレイルの病態”,Journal of Japanese Biochemical Society 95(3): 351-354 (2023),doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950351

(3)Fukamizu, Y., Uchida, Y., Shigekawa, A. et al. “Safety evaluation of β-nicotinamide mononucleotide oral administration in healthy adult men and women.” Sci Rep 12, 14442 (2022).